[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
管理人名:藤堂柚葉
アドレス:http://yuzuha00.web.fc2.com/
よりお借りしたお題二個目。
ああ、やっと終わった。
相棒・・・・いや、武藤遊戯に負けて最初に思った事はそれだった。
やっと終われたんだ。
俺はこれで『俺』を偽らなくてもいい。
魂を縛り付けていた呪縛が解けていく感覚がする。
そして、ぞくぞくと体の奥から歓喜の感情がわきあがってくる。
「くくくっ・・・・フフフフフっ」
その衝動のまま、笑い声を上げる。
「もう・・・ひとりの僕・・・?」
「感謝するよ、武藤遊戯。」
ああ、今まで少なからず憎く思っていたその呼び方すらどうでもいいぐらいに、俺は歓喜している。
「お前のお陰で、この魂に絡み付いていた鎖は消えた。やっと・・・ファラオを捨てられる」
俺の言葉に、相棒と呼んでいた存在は信じられないという顔をする。
「信じられない・・・という顔だな。俺はずっと願っていた。お前という鎖から解放されるのを」
武藤遊戯から視線をはずすと、白いその姿が見える。
愛しい愛しい、ただ一人の存在。その家族。
・・・彼と共にあることだけを願っていた・・・。
「すまない・・・・待たせたな」
声を掛けると霧のように現れて姿を現す愛しい彼。
後ろで息を呑む音が聞こえたがどうでもいい。
「三千年まったんだ、今更数ヶ月どうってことねぇーよ。」
「バクラ・・・・。やっとお前と共に生きれる。」
「ああ、おつかれさん」
ああ、バクラに抱き込まれると闇に呑まれる感覚がする。
全てを打ち消す光ではなく、とても心地のいい闇。
それを感じながら俺は目を閉じた。
呼吸を止めて闇に沈め
(この闇に沈めるなら、他の何を犠牲にしても構わない)
やってしまいました、王盗賊。
うちの王様はATMじゃなくてアテム・・・しいて言うなら魔王様よりの人間です。
どこかで、原作初期の遊戯はゾークの闇に呑まれかけてた・・・みたいな記述をみたので、そこからそのまま闇に浸りきってもいいのでは・・・。ということで生まれました。
ちなみにアテムは、盗賊王に対してバクラ、ゾークのほうはバクラ君と呼んでます。