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管理人名:藤堂柚葉
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からお借りしたお題6個め。
遊戯視点。
-----ああ、僕の世界がぐらぐらと壊れていく音がする。
ゾークとの戦いを終え、ついにその時はやってきてしまった・・・。
千年パズルの主・・・「古代最後のファラオの魂」を冥界へと送る儀式。
僕は、この勝負に勝つつもりだった。
そして実際に勝った。
でも、心のどこかで負かされることを期待していたのかもしれない。
「どうして勝ってくれなかったんだ」という気持ちが溢れてくる。
だけど「もう一人の僕に」止めをさせたのは僕だという醜い優越感も感じる。
なにがなんだかわからなくなって、涙が止まらない。
「くくくっ・・・フフフフフッ」
泣き顔を隠すためにも、うな垂れて下を向いていた僕。
いつもならここで優しい声が聞こえてくるのに・・・。
疑問を覚えたとき、沈黙を切り裂くように笑い声が響く。
顔を上げると、「もう一人の僕」が、とても嬉しそうに笑っていた。
「もうひとりの僕・・・?」
「感謝するよ、武藤遊戯。お前のお陰で、この魂に絡み付いていた鎖は消えた。やっと・・・ファラオを捨てられる」
何時もより高くて厚みのある声。
威厳があって、だけど冷たさしか含まない氷のような笑みで言われた言葉が理解できない。
「もう一人の僕」はファラオを捨てたがっていた・・・?
もしかして、ファラオとして冥界に戻るのを望んでいなかった?
「信じられない・・・・という顔だな。俺はずっと願っていた。お前という鎖から開放されるのを」
顔に出ていたんだろう。
冷たい笑みのまま「もう一人の僕」は言う。
僕はずっと君を苦しめていたの・・・?
「すまない・・・待たせたな」
唖然とする僕をほって、冷たい笑みから、柔らかな微笑みに変わった彼は、何もない空間に話しかける。
すると、地下ではありえない、白い霧が出てきてやがて人型を作る。
その姿を全て認識できたとき、僕はひゅっと喉を鳴らした。
「三千年待ったんだ、今更数ヶ月どうってことねぇよ」
ニヤッと不適に笑うその姿は、ここにいるはずがない人。
白銀の髪と顔に走る傷・・・何より目立つ赤い上着は見間違うはずがない。
彼は・・・ゾークの生贄となって滅んでしまったはずなのに・・・!
「バクラ、やっとお前と共に生きれる」
「ああ、おつかれさん」
そういって嬉しそうに男に抱きつく「もう一人の僕」。
ああ、唐突に理解してしまった。
僕は、ただ二人に踊らされていただけなんだと。
「もう一人の僕」が自由になるために。
僕の気持ちも、常識を気にしすぎてこの選択を選ぶ事すら予測して。
悲しみを通り越して憎しみが沸いて来る。
その衝動のまま僕は二人を睨み付けた・・・。
過去も未来もそうだきみさえも忘れてしまおうか
できるなら君を知らなかった頃に戻してよ!
はい、「呼吸を止めて闇に沈め」の遊戯視点でした。
遊戯の矛盾した心の中を表そうと思ったら、矛盾しまくってわけのわからない文章になりました。
もっといいのが出来たら入れ替えるかも。
これの後に「誰もしるべきではなかった世界の祈り」が入ります。
何かしら行動にでようとした遊戯を止めるためにも獏良が「何もしらない」という仮面を取っ払うわけなのです。